こんにちは!Nozomiです。
2023年1月、ようやくパレハデエチョの承認が降りました。
パレハ承認が降りたあとは、気を休める間も無くパートナービザの申請にうつります。
何を隠そう、この時すでにビザが切れており、俗に言う「不法滞在」状態だったので、一刻も早くビザを手にするべく申請に取り掛かりました。
しかし、簡単ではない道のりが私たちを待ち受けていました….(予想してたけど)
今回の記事では、そんな波乱のパレハ承認からパートナービザ取得までの7ヶ月間の記録です。
パートナービザ申請に必要なもの
基本的にパートナービザ申請に必要(と書かれている)なのは、
- パレハ承認が記された書類
- 6ヶ月以内に発行された住民票(二人が同じ住所に登録してある必要あり)
- パートナー(スペイン人側)の雇用契約書(正規雇用)
当時彼はまだ大学に通っていて、空いている時間にフリーランスの形態で仕事をしていたので、雇用契約書を持っていませんでした。
雇用契約書がない場合、カード申請はかなり難しいと聞き、義理叔父の知り合いの行政書士(Gestor)に手続きをお願いすることにしました。
Gestorとの手続き
Gestorはかなりのんびりしたおじいちゃんで、初対面から「この人大丈夫?」って感じだったのですが、義理叔父の紹介だったこともあり、そのまま話を進めることにしました。
声を大にして伝えたいのは、
【外国人課(Extranjeria)専門の弁護士を雇うべし】
【違和感を感じたら、遠慮なく他の弁護士を探すべし】
私達の直感は大抵合ってますからね…
お願いしたおじいちゃんGestorは、親切に対応はしてくれましたが、Extranjeríaは専門外だったようで、逐一知り合いの専門弁護士に聞いているようでした。
(仲介しないで最初からその人に繋いで欲しかったな??)
Gestorとは何度もメールでやり取りしながら必要書類を揃えていきましたが、メールの返事は本当に遅くて(一週間来ないこともザラ)、毎回返事の催促をしなければなりませんでした。
さらに、スペイン人パートナー側が正規雇用で働いていないケースはかなり稀らしく、彼らも手探り状態でした。
一向に進まない手続きに苛立ち、かなりストレスフルな日々でした。
周りの人には、「スペイン人はのんびりしているから仕方ないよ〜返事来るだけマシだよ〜」と言われましたが、すでにワーホリビザが切れている状態の私は早く対応してほしかったので、「ビザ切れてるので、なるはやで手続き進めたいです」と言っても、「はいよ。まぁ慌てなさんな」といった感じで、驚く様子はありません。
実はビザなしで滞在してる(せざるを得ない)人も、たくさんいるのかもしれないなぁと思いました。
いくらパレハ承認されているからとは言え、ビザが切れた状態で滞在している居心地の悪さったらありません。
ビザが手に入らないことには日本にも帰れなかったので(帰れますが、スペインに再入国できない可能性大)、当時はストレスで体調も不安定になっていました。
必要書類の提出
そして、コンサル初日から1ヶ月ほど経ち、Gestorから追加で必要だと言われたのは、
- 家族全員分の情報が載った住民票(戸籍謄本)
- プライベート保険への加入(私のみ)
- スペイン人パートナーの両親の雇用契約書と源泉徴収票
でした。
住民票(Certificado de empadronamiento)
まずくじけそうになったのは、住民票の取得。
当時バレンシア州では、家族全員分の情報が載った住民票を取得するためには、あらかじめウェブサイト上で予約を取る必要がありました。
Gestorからは、「毎朝8時〜8時30分に予約が取れるシステムになっている」との説明がありましたが、一向に予約が取れないので、市役所に電話をすることに。
最近システムが変わって、今はウェブで予約を受け付けていないんです〜。直接市役所に来てくれれば大丈夫ですよ!
とのこと。
そんなの知るかー!サイトに何も書いてなかったじゃん!Gestorもちゃんと情報収集しといてー!
しかも、これはまだまだ序の口。
早速市役所に行ってみると、受付のおじさんに「予約は?」と聞かれました。
「予約いらないって電話で聞いたけど?」と答えると、「朝早く来て、整理券取らないと受付できないよ」と。
そんなの聞いてない!(2回目)電話で言ってくれー!
何時頃に来れば良いのか聞くと、「朝早い人は7時前から並んでるよ」と。
え?ディズニーなの???
「他の市役所にある窓口では、整理券なしでも、並べば受付してもらえる」という情報を聞き、ハシゴしてそちらへ向かい、2時間ほど待って対応してもらいました。
がしかし、
そこの受付では、住民票の受取は数ヶ月後になるとのこと。(通常住民票はその場で貰えます)
どういうシステムなん??そんなの待てるかーい!
早く言ってくれーーー2時間返してくれーーー (ずっとキレ気味)
半ギレ状態でしたが、翌日出直すことに。
翌日は早起きして、市役所に7時30分頃到着すると、すでに外に長蛇の列がありましたが、なんとかギリギリ整理券をゲットすることができました。
それから14時30分まで(7時間!)待ち、やっとのことで住民票を手に入れたのでした。
ちなみに、自分だけの住民票(戸籍抄本)が必要なときは、Web上で手続きでき、すぐにデータがメールで送られてくるのでとても楽です。
プライベート保険(Seguro privado)への加入
スペインでは医療費が無料で、それは留学やワーホリで来ている外国人にも適応されます。
無料と言っても、納税者の税金で賄われているもの。
指定ドクター以外の私立病院や歯科などは適応外なので、かなりの費用がかかります。
指定ドクターの受診には予約が必要ですが、2週間先まで空きがないのもザラで、正直医療制度が整っているとは言えません(州、地区によると思います)。
そのため経済的に余裕のある人は、必要なときにすぐ受診できるプライベート保険に加入するんですね。
(会社でプライベート保険を賄ってくれるところもあるようです。)
プライベート保険と言っても値段はピンキリで、保険内容によって月15ユーロ〜80ユーロ程度になります。
今回私がプライベート保険の加入を求められた理由は、経済的に余裕があることを示すためだと思われます。
というのも、前述の通り、私のパートナーは正規雇用で働いてない状況だったため、”十分な収入がなくても貯蓄がありますよ”というアピールをしたほうが良いってことみたいです。
つまり、激安な保険に加入しても意味がないわけで、私は60ユーロくらいの保険に加入しました。
さすがはプライベート保険で、家から先生とビデオ通話できたり、明日には病院の予約が取れたりと、至れり尽くせり。
無料の歯のクリーニングもついていたので、もちろん恩恵を受けておきました。
プライベート保険の難点と言えば、処方箋も保険外となるので、薬代が少し高いということでしょうか。
とは言え、体調が悪いときにすぐに診てもらえる安心感のメリットの方が大きいと思います。
スペイン人パートナーの両親の雇用契約書と源泉徴収票
パートナーが雇用されている場合、パートナーの雇用契約書(Contrato)と源泉徴収票(Nómina)を提出します。
前述のように、当時私のパートナーは雇用契約書がなかったため、彼の両親の雇用契約書及び源泉徴収票が必要とのことでした。
両親にお願いすると、嫌な顔一つせずすぐに準備してくれました。
本当の娘のように大切にしてくれる彼家族には頭が上がりません。
そしてようやく必要書類が揃ったところで、再びGestorのところへ。
書類は全て正しいとのことで安心したのもつかの間、「これで出してみるけど、どうかねぇ、ビザが降りる保証はできないよ」
え????
急に突き放すじゃん!そんなこと言わないでくれる???
なんせ私たちのような前例がないから分からないんだそう(涙目)
そんな神頼み状態のまま、Gestorの知り合い弁護士により無事にExtranjeríaに提出されました。(Gestorや弁護士を介さない場合、自分たちでExtranjeríaに書類の提出をします)
提出後はウェブサイトから申請の進捗状況を確認することができます。
提出したのが4月頭で、結果が出るまで2〜3ヶ月とのこと。
結果が早く出るはずないのに、毎日のようにウェブサイトをチェックしていました。
それから月日が経ち、4ヶ月も経った8月のこと。
順調にビザが下りた友達カップルの話
当時友人カップル(日本人女性×スペイン人男性)も同時期にパレハ申請とビザ申請を行っていたのですが、彼らは弁護士(Avogado)に頼んだところ、5月に申請し、すでにその申請が通ったとのこと!
彼らによると、お願いした弁護士はExtranjeríaに精通しており、一回のコンサルで全て申請までの準備が終わったそうです。(私たちは何ヶ月もかかったのに…)
さらに驚きなのは、私たちがあれほど苦労した住民票を弁護士が代理で取得してくれたということ。
そして、友人のパートナーも学生でアルバイターという似たような境遇だったにも関わらず、雇用契約書があればアルバイトでも問題ないと言われたそうです。
そして、プライベート保険についても話はなく、友人たちは保険加入せずにビザ申請が通っていました。
ビザ申請で専門家に頼む際、AvogadoでもGestorでもどっちでも良いと聞いていたのですが、(正直違いがよく分かりません)全然どっちでもよくないってことですね。
パレハ申請・ビザ申請なら、おとなしくExtranjeria専門のAvogadoに頼む一択!
私たちはね…叔父の知り合いだからよくしてくれるだろう、みたいな期待があったからGestorにお願いしましたが、大間違いでした!
申請後4か月目、まさかの再提出
私たちより後に申請した友人がすでに通っているのに、さすがに連絡がないのはおかしいと思い、Gestorに連絡しましたが、まさかの返信なし(それから返信が来ることはありませんでした怒)。
これでコンサル料を請求するなんて、どうかしています。
そこで、Gestorの知り合い弁護士に連絡してみると、光の速さで返信が!
(直接コンタクトを取ったことはありませんでしたが、申請書類の申請者欄に名前と連絡先が書いてあったので、思い切って連絡したのでした)
すると弁護士はすぐにExtranjeríaに確認してくれました。
Extranjeríaからの返事は、「不備があるから申請を通せない」と。
そして、1週間以内に私のパートナーも私と同じプライベート保険に入り、彼の両親の雇用契約書及び源泉徴収票が正しいことを証明するNotario(公証人)の一筆も提出してくれ、と。
先ほどの友人の話を覚えていますか?この違いは何なんでしょうか??
お願いしたAvogado / Gestorによるのか、はたまたExtranjeríaの気まぐれなのか。
やるせなくて、涙したのを覚えています。
しかもこちらから聞くまで4ヶ月、何の音沙汰もなかったくせに、1週間以内だと?
正直言って、もう無理ゲーでしたが、何とかすぐに対応してくれるNotarioを見つけました。(通常、数道以内にアポを取るのは難しいです)
彼の両親にも急遽仕事を休んでもらい、一緒にNotarioの事務所に行き一筆をもらうことができました。
幸い、この弁護士は連絡をまめにくれる人だったのでよかったです。
本当に、どうして最初から彼と直接連絡を取れなかったのか…。
まあ、コンサル料の取り分云々で、Gestorも間に入りたかったのでしょうかね。今でも腹が立ちますが。
追加書類を提出後2週間ほど経った9月下旬、ようやく申請が通りました。 (申請が通った場合、Favorableと書かれます)
めでたしめでたし…と思うでしょう?
まだまだ続きがありますよ。
居住カード申請
申請が通ったあとは、カードの申請が待っています(もう疲れた…)
居住カード申請で必要なことは、
- 手数料の支払い
- 申請書類・銀行の支払い受領書・顔写真の提出
- 指紋登録
提出と指紋登録を行うために、ウェブ上で予約を取らなければいけませんが、これがまた取れないんです。
いつ開いても[ No hay disponible(空いてる日はありません)] の表示。 以前は弁護士が予約も取ってくれたという話も聞きますが、最近は申請者本人が取らなければいけない(?)ようです。
すでにカードを取得していた友人から、毎日14時にアクセスすると取りやすいと聞き(例の敏腕弁護士からのアドバイスだそう) 、さっそく14時前からスタンバイ。
予約のためには、まず州名、予約したいオフィスの場所(Cualquier oficina[どこでも]を選ぶべし)、予約の種類(今回の場合、Toma de huella [指紋採取])を選びます。
次の画面で、NIE、名前、国籍を入力します。
そして次のページへ進もうとすると、大抵 [No hay disponible] の表示とともにエラーとなってしまうのですが、この作業を根気よく繰り返します。
2、3回目で次のページに進み、カレンダーから日にちを選ぶ段階まで進むことができましたが、その次のページで再びエラーになってしまいました。
なるほど、日にちをのんびり選ぶ時間はないってことね。
14:20を過ぎると、予約枠が完全になくなってしまうようで、この日は諦めることに。
次の日も14時にスタンバイし、応援要員としてパートナーにもこの戦いに参戦してもらいました。
しかし、この日もカレンダーまでしか進めず惨敗。
翌日、ようやく予約までたどり着くことができました。
カレンダーで日付を選び、次の画面へ進むと、電話番号、メールアドレス等を入力し、送られてきたコードを入力して、予約が完了します。
かなり焦ると思いますが、諦めず根気よくチャレンジすれば何とかなります!
コツは、高速で情報を入力し、カレンダーの日付は見ずに、光の速さで空いているところをすかさずクリックする!だけです。
ところが、まだまだネタがあって。
満を持して予約会場に向かったわけですが、
速攻で突っぱねられました。
今回は完全に私のミスというか、バカだっただけなんですけど、
本来予約前に銀行で手数料(TASA)を払って、受領書を受け取らなければいけないのですが、
完全にその要綱を読み飛ばしていました。
苦労して取った予約が水の泡となり、しかも自分の不注意だったので、かなり劇萎えしました….
しかも、ビザ申請が通ったら概ね1〜2ヶ月ほどでカードを取得できると聞いていたので、ビザ申請が通ってすぐに2ヶ月後の日本へ一時帰国するための航空券を買ってしまっていたんですね。 (あほ)
一時帰国の便まで1ヶ月ほどしかなかったので、間に合わなかったらどうしよう、という焦りから、ある友人に相談しました。
実はバレンシアでは、中国人コミュニティの人たちが裏技的にすぐに予約を取ってくれる人がいるのです。
からくりはさっぱり分かりませんが、時価(15〜50ユーロ)でお金を払って、名前とNIE(外国人身分証明番号)を教えると、サクッと予約を取ってくれるとか。
その友人は、中国人コミュニティの一人と知り合いだったので、当時いくらで仲介できるのかを聞いてくれたのですが、
なんと「50ユーロでならできるが、早く予約が取れる保証はない」との返事をもらったそう。
そんな高額を払って保証はないのか…って感じですよね。
一刻も早くビザを手にしたかったので、お願いしようかと一瞬頭をよぎりましたが、謎の仲介者にお願いするのも気が引けるので、お断りしました。
幸い、何とか翌日に自力でもう一度サイトから予約を取ることができました。
もう1回目のことがトラウマだったので、書類に穴があくほど熟読し2回目に臨みました。
今回は何も起こらないと思いきや……
指紋採取では、空港の指紋チェックみたいな感じの機械を使うのですが、
私の指、カッサカサで全然指紋取れない問題。
他の人はすんなり終わっているのに、多分30分くらいかかりました(笑)
担当者も困り顔で、途中からはやっつけでひたすら私に指を押させます。
通常、右手人差し指みたいですが、私は左手薬指でやっと合格サインが出ました。
やっと終わったーー。変な汗出まくりでした。
保湿して予約し直せって言われるんじゃないかと。笑
指紋登録して書類を提出したら、25日程度でカードができるので、それ以降に取りに行きます。
結局、私は一時帰国の2日前にカードを手にしたのでした。
ようやく、めでたしめでたし!
長い長い戦いから解放されましたが、残った傷跡と言えば、スペインのお役所への信頼の喪失(もともとあったわけでもないけど)と疑心暗鬼。
これから何らかの申請をされる方は、提示されている情報は大抵不備があると思って臨まれることを強くお勧めします。
でもどんな状況でも必ず道はありますから、根気強く頑張りましょう!
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