パレハデエチョ申請まとめ 【2022年/バレンシア州 】

Pareja de hecho Spain
この記事は約12分で読めます。

こんにちは!Nozomiです。

2021年にワーキングホリデーでスペインに渡航し、2022年、スペイン人のパートナーと【Pareja de Hecho (パレハデエチョ)】の手続きをしました。

すぐに変わる手続きのルールに加え、テキトー&亀対応(遅すぎる、の意)の役所。

一筋縄ではいかなかったパレハ申請ですが、提出から7ヶ月後にようやく認定されました。

今回は2022年版・バレンシア州でのパレハデエチョ申請手続きについての記録です。

これからパレハ申請される方の参考になりますように!

パレハデエチョとは?

パレハデエチョとは、スペイン独自の事実婚のようなパートナー関係を指します。

夫婦関係とほぼ同等の権利を得ることができ、手続きは結婚よりもシンプルなので、とりあえずパレハデエチョ申請をするカップルが多いです。

パレハデエチョが認定されると、外国人パートナーは、パートナービザを取得できるようになります。(こちらはまた別の手続きになります)

パートナービザを取得すると、5年間の滞在許可がおり、スペインだけではなくEU全土での滞在や労働が可能になります!

一見聞こえが良いですが、申請は本当に大変です

申請必要書類

パレハデエチョの申請に必要な書類は、時期や州によって異なりますが、私は2022年の6月にバレンシア州で申請しました。

外国人側(私)の必要書類

  • 独身証明書(Certificado de soltería)
  • スペインの住民票(Certificado de empadronado)
  • パスポート

スペイン人側の必要書類

  • スペインの戸籍謄本的なもの(Fe de vida)
  • スペインの住民票(Certificado de empadronado)

+ パレハデエチョ 申請書(Solicitud de inscripción:州のウェブサイトからダウンロードできます。)

住民票は、二人が同じ住所に登録してある必要があります

私たちが申請準備をしている時は、「一年以上一緒に暮らしてないといけない」などと書かれてありましたが、期間は特に聞かれませんでした。

何なら、私たちは付き合ってから半年くらいでの申請でしたが、問題なかったです。

日本から送ってもらったもの

独身証明書は日本の住民票を置いていたところの自治体での発行されます。

自治体によって独身証明書の発行手続きが異なり、代理人(家族等)でも取得できるところと、本人出頭でなければ発行されないところがあります。

私の自治体では、残念ながら代理人での取得ができないとのこと。

書類一枚のために日本に戻ることはできないので、在スペイン日本領事館に相談しました。

すると、日本領事館で独身証明書の発行ができるとのこと!

しかし、そのためには日本から戸籍抄本(アポスティーユ付き)を取り寄せ、領事館に提出する必要があります。

Nozomi
Nozomi

この時点で、長い道のりになりそうだな〜と察しました。笑

日本の家族にお願いしたのは、以下三点。

  • 市役所に行き戸籍抄本を取ってくる
  • 戸籍抄本にアポスティーユを付けるため、外務省に原本を送る
  • 外務省からアポスティーユ付きで帰ってきた戸籍抄本をスペインに送る

スペインに送る際は、DHLを利用してもらいました。

スペインは国際郵送が届くのが遅かったり、届かない等のトラブルが多いので、郵便局から郵送できる国際郵便(EMS)ではなく、高くつくけど早いと評判のDHLにお願いしました。

Nozomi
Nozomi

日本(東京)からスペインの自宅まで6000〜7000円(泣)かかりましたが、5日で届きました。

スペインで準備したもの

独身証明書

スペインの日本領事館はマドリードとバルセロナにあり、私の住むバレンシアを管轄しているのはバルセロナ領事館になります。

本来であれば独身証明書を受け取るために、直接バルセロナ領事館まで出向く必要があるのですが、たまたま年一度のバレンシア領事出張サービスの時期と重なっていたので、バレンシアで受け取ることができました。

独身証明書発行手続きは9ユーロかかりました。

日本の自治体で独身証明書を発行してもらえた場合、スペインでスペイン語に翻訳してもらわなければなりません

しかし、日本領事館発行の独身証明書はすでにスペイン語だったので、翻訳の必要はありませんでした。

気になるのは、独身証明書受け取りの際、「こちらの独身証明書は、お持ちの戸籍抄本とセットで初めて効力を持ちます」と言われたこと。

しかし戸籍抄本は日本語だし、アポスティーユは英語だし、こちらも翻訳の必要があるのか?と疑問でしたが、私たちの場合は結果としてそのままで大丈夫でした。

「私たちの場合は、ってどういうこと?」って思いますよね。

なぜなら、担当者によって対応が全然違うし、弁護士を介すかによって変わるから!

良くも悪くも、スペインらしさを体感することになるでしょう。(遠い目)

住民票

Certificado de empadronado と呼ばれるスペインの住民票。

住民票をゲットするには、まず住民登録が必要になります。

住民登録も一筋縄ではいかせてくれません。

登録をしに行くためには、まずウェブサイトで予約をとる必要がありますが、これがまぁーーー取れないこと。

いつ見ても「No hay fecha disponible(空いてる日はありません)」の表示。

あまりに予約が取れないので、電話をしてみると、

「予約なら、毎朝8時〜8:30しか受け付けてないですよ? (^^)」とのこと。

そんなのどこにも書いてないし、あたかも当然のように言うなー!!

翌日わざわざ早起きして予約ページをみると、ひと枠だけ予約が空いていました。

1ヶ月以上先の予約をやっとの思いで取ったのでした。

当日は、パスポート、NIE、家主のDNI(マイナンバー的なカード。)、家の証明書等々を持っていき、その日のうちに登録することができました。

スペイン人パートナー側の書類

スペイン人側が用意する書類は、インターネット上で申請することができ、すぐに手に入れることができました。そのため、この記事では省略します。

スペインで何かしらの手続きをする場合に知っておきたいこと

その1:ウェブサイトの情報を鵜呑みにしない

州のウェブサイトでは、さぞ正しいかのように必要書類について記述されていたり、質問があれば電話やメールができるようになっています。

しかし、記載通り準備しても90%の確率でこれが違う、あれが足りないと言われますので、覚悟しておきましょう。

ちなみにバレンシア州では 012 に電話をすると市役所のインフォメーションセンターにつながります。あなたが必要な情報が得られるかどうかは別として(←)、大体電話に出てくれます。

その2:市役所職員の情報を鵜呑みにしない

ウェブサイトに詳しく書いていないため、疑問点もたくさん出てきます。

そこで市役所に直接電話してみると、なんと言うことでしょうか。

「う〜ん、私もわからないですね。」

「多分、〜だと思いますけど、実際に提出してみないとわかりません。」

え??

これ、スペインあるあるなんですけど、職員ですら熟知していないんですね。

つまり、申請は担当者次第&運次第ということになります。

日本の市役所なら、仮に職員がわからなくても、分かる人には繋いでくれるなり、何かしらの回答をしてくれるでしょう。

スペインでは、そのような対応は期待しないようにしましょう。

Nozomi
Nozomi

こうしてスペインの洗礼を受けながら、強くなっていくのですね。

その3:すぐに変わる法律

スペインでは、州によって法律が異なります

それが、私たち外国人にとって情報収集が難しい理由ですよね。

他の州ではOKなことが、他の州ではNGだったり。

さらに、この法律すぐに変わるんですね。

そのため、職員も把握していなかったり、統一できてなかったりします。

その4:しつこいくらいグイグイいくべし

スペインの行政手続きは想像を遥かに超える遅さです。

問い合わせのメールをしても永遠に返信が来なかったり、電話が永遠に繋がらないこともあります。

そんな時は、「とりあえず待ってみよう」精神は捨てましょう。

私たちはしつこく電話したり、市役所やら移民局やらに直接聞きに行ったりしました。

当時の合言葉は、

Tenemos que ser pesados(しつこくグイグイいかなきゃ!)

その5:申請は計画的に!

何度も書いている通り、スペインの行政手続きはかなり遅いです。

今回のパレハ申請でいうと、最短でも7ヶ月ほどかかります。

ビザ切れ等にならないよう、早め早めに行動されることをお勧めします。

仮にワーホリビザや学生ビザが切れてしまっても、手続中であれば正当な滞在ということで不法滞在にはならないとのことですが、出入国はできないようなので、手続きが終わるまでスペインから出られなくなります。

専門家を頼るかどうか

パレハ申請は、もちろん専門機関に頼らず自分たちで申請することができます。

しかし、上記の通り様々な問題にぶち当たり、自分たちで調べなければいけないことがたくさん出てくる場合があります。

また意味不明なことに、同じ書類を提出しているのにも関わらず、一般人が提出したらNG。専門家が仲介していればOKということもよくあります。

私たちは、事前にパレハ申請した知り合いから情報収集し、弁護士(abogado, notario, gestorと呼ばれています)を雇った方が手続きが早く進むということを聞いていたので、Notarioにお願いしました。

弁護士にお願いするといっても、手続きを代行してくれるわけではなく、私たちが正真正銘のカップルであることを証明する、言わば “お墨付き”の書類(Escritura de acuerdo de unión de hechoを発行してくれるだけです。

それにどんな効力があるのか?

そもそも、パレハ認定に長い時間がかかる理由として、スペイン人のスローさもあるかとは思いますが、不正にパートナービザを手に入れようとする人や、ビザのためだけの偽造カップルによる申請がかなり多いことが挙げられます。

そのため、申請カップルが本当のカップルであるかどうかをかなり細かく調べるようです。

弁護士による “お墨付きカップルである証明” があれば、審査の手間が省け、手続きの短縮ができるというわけですね。

そして他にもメリットがあります。

弁護士を雇わなかった場合、通常はパレハ申請後、承認された段階で手紙が届くようになっています。

しかし、まだその段階では正式にパレハ認定されたわけではなく、その承認に異議がないことを証明するため、再びサインをしに行かなければなりません。

サインをするためには、その予約を取る必要があるのですが、遅い時は数ヶ月待つことも。

そしてサインをしてから数週後、晴れてパレハ認定の通知が届く仕組みになっています。

弁護士を雇っていた場合、そのサインをする段階をパスすることができ、直接パレハ認定の通知を受けることができます。

(後々、これは大きなメリットであったことがわかりました!)

弁護士に依頼してからは、1週間ほどで書類を受け取ることができました。

手数料は約100ユーロくらい。(依頼する事務所によって異なると思います。)

いざ、パレハ申請!

ようやく書類が揃ったところで、パレハ申請に行きました。

提出した書類は、前述ですがこちら↓

外国人側(私)の必要書類

  • 独身証明書(Certificado de soltería)
  • スペインの住民票(Certificado de empadronado)
  • パスポート

スペイン人側の必要書類

  • スペインの戸籍謄本的なもの(Fe de vida)
  • スペインの住民票(Certificado de empadronado)

+ パレハデエチョ 申請書(Solicitud de inscripción)

これに加え、弁護士が作成した書類 Escritura de acuerdo de unión de hecho を追加書類として提出しました。

申請は予約なしで行うことができます。

当日は空いていたので、並ばずに対応してもらうことができました。

書類を一式確認され、コピーを取ってあっさり完了です。

どれくらいの期間かかるのかを窓口の担当者に聞いてみましたが、「最短6ヶ月らしいけど、詳しくは私もわからない」とのこと。

あとは、ひたすら待つだけです。(ここからが長い!)

夢に見たパレハ認定

申請から7ヶ月経った頃、しれっとポストにパレハ認定の便りが届きました。(わーい!)

本当に遅かった、、、

同じバレンシア州でも、3ヶ月で届いたという知り合いもいれば、1年近くかかったという人もいます。

小さな町より、都市の方が申し込みが多いため時間がかかる傾向にあると思います。

あまりに時間がかかるので、「全然音沙汰ないけど大丈夫?忘れられてる?順調に審査されてる?」などなど心配になるかもしれません。

前述した電話番号 012 では、現在の審査状況を聞くこともできるので、目安を聞いておくと安心です。

弁護士を雇わなかった友達カップルの話

私の日本人の友達は、ほとんど同じ時期に同じ管轄の地域でパレハ申請をしました。

私との違いは、弁護士にお願いしたかどうか。

私たちは必要書類について情報交換をしていたので、全く同じ書類を提出していました。

ところが、私がパレハ認定の手紙を受け取ったのとほぼ同じ頃、友達カップルの元には “書類に不備あり” といった旨の手紙が届いたのです。

窓口に確認しに行ったようですが、窓口担当者すら何の不備があるか分からなかったようで(それも問題だ)、各所に電話したり窓口を行き来したりと、かなり大変そうでした。

結局不備の原因は、戸籍抄本のアポスティーユがスペイン語ではなかったことのようですが、前述のように私も同じものを提出していました。

本来ならアウトだったのか、たまたま友達カップルの審査員が厳しかったのかは分かりません。

でも、弁護士のサインがあれば、書類のチェックは省略される(見逃される?笑)のかも。

それから2ヶ月後、ようやく友達の元にもパレハ承認の手紙が届きました。

しかし、彼らは弁護士にお願いしていなかったため、サインしに行く必要があります。

サインのための予約は1ヶ月以上先で、彼らがパレハ認定されたのは、結局私たちが認定された時からすでに4ヶ月程度経っていました。

弁護士にお願いした当時は、紙切れに100ユーロは高いと思っていましたが、結果良かったなぁと思います。

パレハ認定の次はいよいよビザ申請!

パレハ認定され嬉しいのもつかの間、まだまだやることがたくさんあります。

ようやくパートナービザ申請の材料が揃ったので、次はビザとの戦いです。

現在私たちはビザ承認待ちの段階なので、晴れてビザをゲットしたらまた別記事でビザ申請について書いていこうと思います。

たくさんイライラネタがあるのでお楽しみに!笑

スペインの洗礼を受けている仲間の皆様(笑)

スペインのパレハデエチョを申請しようと思っている方も、している人も、ここまで読んでくださってありがとうございます。

情報も少なく、一筋縄では行かないことが多々あるとは多いますが、大丈夫。あなた一人ではありません!

一緒に乗り越え、楽しいスペインライフを送りましょう♪

コメント

  1. さの より:

    のぞみさん、こんにちは!
    一つ質問でく。pareja de echo の申請後にビザ切れになった場合、待ってる間スペインにいても不当滞在にならないとおっしゃってましたが、ビザ切れになったときはまた何か別で手続き(もしくは大使館での事情説明など)人ようなのでしょうか?

    • Nozomi より:

      さのさん、お返事遅くなってしまい大変申し訳ありません!!その件に関しては警察に確認してもかなり曖昧で、「スペインを出なければ問題ない」と言われただけでした。おそらく、大使館での事情説明も必要ありませんが、もしその期間中にどうしてもスペインを出なければいけない場合は、大使館に事情説明し、対応してもらうことになると思います。弁護士等を通して手続きをする場合は、その旨説明すれば、”ビザ切れてるけど正当な理由で滞在している”旨が書かれた証明書を発行してくれるはずです。